| “奇跡”の始まり |
1988年に日本の大学を卒業後、観光ビザで渡米。建築家(アーキテクチャー)を目指し、ロス、シカゴ、ニューヨークを点々とし、職を求めて1年間、放浪生活を続ける。観光ビザの上、英語も話せず、お金も無く、友人、知人もいない、そんな状況の中で良い仕事等見つかるはずも無く、日本への帰国を決心したその直後、米国永住権(OP-1)に当選(1989年、現ブッシュ大統領の父、ジョージ ブッシュ氏が第41代米国大統領になった恩赦による第1回目の宝くじ永住権)。登録者数300万人中、日本人の枠、僅か60人。5万人にひとりの確率で米国永住権を手にした1度目の奇跡が、自身のアメリカ在住の原点になったことは言うまでもない。
永住権を手にしてまず思ったことは、“これで建築事務所に就職できる”という安易な考えだった。ロックフェラーセンターにある紀伊國屋書店で「ニューヨーク便利帳VOL.5」を購入して建築事務所欄を開いて端から電話での職探し。なかなか見つからない。最後の最後に拾っていただいたのが、当時、SOHOにあったTony Craftとい工務店だった。しかし設計図面の書き方を一度も教わることなく、米国人の大男達とシートロック(壁)を朝から晩まで、4ヵ月間ひたすら運んでいた。今では、苦しくも懐かしい想い出だ。
当時、そんな生活に嫌気がさし、堅気になりたい一心で新たな職探しを始めた矢先、前職となる某出版社社長との出会いにより“出版業”という未知なる世界に縁することとなる。有り難くも本作りの楽しさ、厳しさ、会社経営の難しさを教示いただき、いつの日か“自分もパブリッシャー(発行人)に成りたい”との小さな夢を抱いたのが24歳の頃。生意気にも“力ついたら自分で起業したいです”と前社長に話をしていた頃が懐かしく、それから5年後、1995年3月、 Y’s Publishing Co Inc.を設立することになる。
起業と同時に「ニューヨーク便利帳」を買収。1975年の創刊以来、発行部数、販売実績数、ともに年間ナンバー1の座を譲り渡したことのない不動の年間誌「ニューヨーク便利帳」の版権を創刊者から譲渡、踏襲する約束でスタートし、現在に至る。正にこの出来事こそが、無力な私が手にした2度目の奇跡となった。
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| 会社の沿革、そして今後 |
米国生活をトータルにサポートする総合メディア企業として1995年3月にY’s publishing Co Inc.を設立。生活百科事典「ニューヨーク便利帳」を柱とした全米17都市の便利帳をシリーズ化、その他、企画別の便利帳、ニューヨーク便利帳マップ、英字出版等、約30種類の保存性の高い年間誌を中心に発刊。2003年5月には、グループ傘下となるDaily World Press, Inc.を設立。日刊無料紙「DAILY SUN」を同年9月に創刊。日刊スポーツ、共同通信社から特約を受け、地元情報、翻訳記事を盛り込んだ全44ページ(月〜土)の新聞を、毎日250ヵ所に無料配布、最新ニュースを届けている。また、2005年4月、Weekly Business News社を設立。同年7月より全米版「週刊ビジネスニュース」を創刊。米国の政治、経済ニュースをニューヨーク、シカゴ、デトロイト、アトランタ、ロサンゼルスエリアで無料配布、ビジネスマン必見の週刊新聞である。2006年には、OJPA(海外日系新聞放送協会)の会員となる。
さらに、2008年5月には、業界初となる全世界同時配送フリーペーパー「帰国便利帳」を日本で創刊、世界13都市(ニューヨーク、シカゴ、デトロイト、ロサンゼルス、サンフランシスコ、上海、シンガポール、バンコク、ベトナム、香港、シドニー、ロンドン、パリ)に無料配布していく予定。
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| “紙の復権” |
| メディアを整理すると以下の6種に分類出来る。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネット、イベントPR等がそれに当たる。とくに注目すべきは、新聞、雑誌等のフリーペーパーの存在である。インターネットの台頭で確かに紙媒体(有料誌)の発行部数は伸び悩み出版界は厳しい時代を迎えている。発行部数が落ち込めば当然、広告出稿費も減る。今まで、紙媒体だけが、広告宣伝費と販売費の二つの収益構造から成り立ち、さらに販売価格に至っては、何処の書店で買っても日本全国、均一価格という不思議な業界の常識がある。紙媒体が厳しいのではなく、有料誌(紙)が厳しいのだ。ただ、それが時代の要請であれば時代にあった業界編成をしなければ生き抜けない。インターネット同様、“フリーペーパー”は次世代の媒体として今後益々、成長し、発展するに違いない。他媒体同様、広告宣伝費のみの収益で既存のクオリティーを確保、維持しながら事業として成り立つか否かの見極めが今、されようとしている。勿論、私は十分出来ると信じているし、特に海外に関して言うと、情報認知のスピードは、インターネットよりフリーペーパーの方が断然早い。事業として確立させるためには、伝達スピードよりも認知スピードを考えなくてはならない。フリーペーパーを生かすには、インターネットとの共存、協業が、必須であり、その上で、紙の持つ特別な質感、全体感、持ち運びが出来る利便性を考えれば紙媒体は決して陳腐化しないと私は思っている。
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| “夢“進むべき道
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弊社の本作りは、いわゆる“水際の戦い”が中心で、解り易く言うと近い将来、 (1)渡米を予定している人、 または (2)渡米間もない人、 それと (3)米国から日本へ帰国を予定している人、 この3種が我々の読者ターゲットとなる。 海外には、130万人の日本人が在住していると言われているが、そのうち90%は5¥5年以内に日本に帰国する (1)駐在員とその家族、 (2)現地採用者、 そして (3)学生 である。今後は、この帰国者向け情報誌を世界13都市で月間フリーペーパーとして無料配布、事業として展開して行く。弊社のアンケートによると (1)駐在員は帰国が決まると“こどもの教育”が一番の関心事で、 (2)現地採用者と(3)学生は、“帰国後の就職” がそれに当たる。しかも帰国対象者となると米国のみならず、世界各国に在住している約100万人がターゲットとなる。各国で活躍している現地出版社との提携により世界13都市、約2,400ヵ所の配送網を確立することで、“帰国子女教育”と“帰国後の就職”を柱とした世界同時配送フリーペーパーの月間化を現実の物としたい。そして、2012年に日本での株式上場を目指し、出版業を通して、大事な社員と共に社会貢献の一役を担うことができればこれ以上の幸せはない。またそうすることが、お世話になった方々への報恩感謝になるまいか。
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